【思い出深いコンサート】
★これまでのステージの中で、特に印象的な場面・・・うれしかったことと、つらかったことなど教えてください。
冴木:つらかったというか、痛かったことはありました(笑)。オーチャードホールで収録されたDVDを見られた方、コンサートにいらした方もいらっしゃるかもわかりませんが、“想”のコンサートツアー中、広島の時にアンコール前、最後のステージを去るときに、ドレスのすそが引っかかって転んだのです。その転び方が、一瞬浮いて腰からもろに落ちる感じでしたので、痛くてしばらく立てなくて、バンドの方が手を貸してくださって舞台袖まで行けました。痛くて痛くて、歩けるかな??と、思いましたが、皆様に心配をかけてはいけないと、笑顔でなんとか普通に歩いて、ステージの真ん中まで行きました。こんなハプニングも起きるのですねぇーなんて、笑いながら・・・・そして、最後に歌ったアメイジンググレイスでは涙があふれてきました(痛みからではありませんよ・・・・笑)。
その後、救急病院へ直行し骨に異常はなさそうでしたが、打ったところが微妙で、「一ヶ月しても痛みが取れなかったら奥の方にひびが入っているかも判りません、でも、どうすることも出来ないので、治るのを待つだけになりますが・・・・」ということだったんですよ。まだまだツアーの最初でしたので、あとは大変でした。ツアーを中止するわけにもいきませんので、痛み止めを飲み、松葉杖を使い、飛行機に乗るときは車椅子を使った時もありました。コンサートでは、なにごともないように振舞う私を見て、スタッフは本当に驚いていました。パンプスもかかとの低いものに変えたり、工夫をしながらの日々でした。最後の、DVDになったオーチャードでのコンサートも階段の上り下り、ちょっとした踊りでも痛みは走ります。本番は、不思議なことに痛みを忘れます、もちろん、動きによっては一瞬痛みはありましたが、歌に集中することで、緩和されているのでしょうか??
その後、完治するまでには半年を要しました。このままちゃんと歩けなかったらどうしよう・・・・と、不安な心も一瞬起きたりしましたが、少しずつ良くなるのを感じて、人間の身体の神秘を感じ、また五体満足である自分の身体にとても感謝をしたものです。
嬉しかったコンサートもたくさんありますが、印象深いのは、NYでのテロ後のチャリティーコンサートでしょうか。コンサートの前日グランドゼロも行きました、胸が苦しくなるほど悲しみが押し寄せてくる感じでした。たくさんの取材も受けました、いろいろな方がキャンセルされる中、よくお越しくださいました・・・と。私が出来ることはほんの微々たるものでしょうけど、歌をとおして、勇気や希望、愛が伝わることを祈って、祈って、ステージにたちました。なかなかこの時期、コンサートに人が来ないというお話を聞いていましたが、満席だったと伺い本当に嬉しかったです。さきほどもお話したNYのアルゼンチン大使のお言葉(貴方がしていることは、アメリカとアルゼンチンと日本を結ぶ架け橋ですね)・・・・はこのときにいただきました。お客様からお礼の言葉もいただきました。これからも、人と人、国と国を歌でつなぐ架け橋になれたら、という夢を持って、たとえ微力であっても頑張っていきたいと思います。